アジアのユダヤ人『ロヒンギャ』問題とは

アジアのユダヤ人『ロヒンギャ』問題
 
先日タイでTVを見ていると、このロヒンギャについてNEWSがやっておりました。詳しい内容はわからなかったのですが、映像からなんとなく推測していました。
 
日本に帰国すると、偶然この問題についてメディアが取り上げていたので、以前から気になっていたこのロヒンギャ問題を私なりに記事にしてみることに致しました。
 
 1. ロヒンギャとは
 
そもそもロヒンギャとはビルマ、ミャンマー連邦共和国の西部ヤカイン州とバングラディッシュとの国境地帯地帯に住んでいる、イスラム教徒(ムスリム)。約100万人以上の人口であると言われるが、これは推測にすぎないようです。
 
ちなみにミャンマー人に占めるムスリムは4%程度の模様です。
 
2.ロヒンギャの悲劇
 
ロヒンギャの悲劇はビルマの独立を期に、ビルマ国内での民族、宗教、イデオロギーなどの対立から内戦が勃発(ビルマ内戦)、ヤカイン州でも多数派である仏教徒と少数派であるムスリムとの間での衝突が始まり、現バングラディッシュから食糧不足によりベンガル人(ムスリム)が流入したことにより対立が激化する。
 
日本軍の侵攻によってイギリスの統治が破綻するとアラカン人仏教徒とビルマ軍が一緒になり迫害と追放を開始する。ロヒンギャの虐殺、悲劇の歴史はさらに激化。結果1980年代には国籍を剥奪される。
 
またロヒンギャがアウン=サン=スーチーの民主化を支持したことから、ビルマ軍に強烈に弾圧を受ける。
 
3.ロヒンギャが難民へ
 
この時代背景の中1970年代末、90年代はじめに30万人とも言われる大量のロヒンギャが難民として、隣国バングラディッシュに亡命。国際的な支援も届かず、多くの方が死亡するという悲劇が起きる。そして、1990年代にはバングラディッシュ、ビルマ両国が国境警備を強化、出入国管理が厳格化し、バングラディッシュへの脱出が困難に。その結果、陸上ルートからより危険な海上ルートを通ってマレーシアやインドネシアへ流入。
 
バングラディッシュには今でも複数難民キャンプが残っており、多くのロヒンギャが難民として厳しい生活を余儀なくされている。
 
4.ロヒンギャ問題とは
 
こうした背景からロヒンギャが密航船に乗り、アジア中に難民として流出することになります。しかし、アジア各国はこの難民の受け入れを拒否。ロヒンギャが難民ではなく、不法入国者として扱われ、さらに問題を深刻化させた。入国できず海上を木造船で漂流するロヒンギャの映像が流れ、さらに国際問題化。ロヒンギャの子供達は栄養不足、不衛生な生活、教育も満足に受けられない厳しい状況下にある。
 
5.悪質な人身売買
 
この難民の流出に目をつけた、悪質な人身売買、難民斡旋業者が問題に。近年問題が表面化したシリアやソマリアのように、ロヒンギャも悪質な業者の餌食になります。タイやマレーシアなどの業者が密かにロヒンギャからなけなしのお金を巻き上げ、木造船に乗せ、マレーシアやインドネシアに連れて行き、多額の利益を得る。難民ビジネスの餌食となるのであった。中には強制労働や売春斡旋組織に売られる。子供が餌食になることあり、悪質極まりないビジネスの被害に遭っています。
 
人身売買によって国を出たロヒンギャは10万人をはるかに超えるようです。
 
さらに近年になってタイ政府の取り締まりが強化、よって難民ビジネスが上手くいかなくなった悪質な業者がロヒンギャ難民を虐殺したり、置き去りにしたりしたため問題はさらに深刻化。
 
6.アウン=サン=スーチー
 
2015年にアウン=サン=スーチー氏による、民主的な政権が樹立。これによってロヒンギャ問題も解決に向かうかと思われましたが。。。結果、ロヒンギャを含む少数民族を取り巻く環境に変化は無いようです。軍事政権を否定し、民主化を主導したはずが、いまだに強い、現ミャンマーの軍隊の影響力ゆえに、手出しができないと言った方が正しいのかもしれません。本当の意味での民主化にはまだほど遠いのかもしれません。
 
また大量のロヒンギャの流入を恐れるあまり積極的な施策を打ち出すことはできないようです。
 
7.イスラム過激派への勧誘
 
ここ最近フィリピン、ミンダナオ島でISIL(イスラム国)とフィリピン軍が戦闘に。今現在も激しい戦闘の真っ只中です。東南アジアでもISが広がりを見せはじめた昨今。そして、弾圧されているロヒンギャもイスラム過激派からの勧誘に参加するものも少なくないようです。
 
迫害や貧困が新たな暴力や狂気を生むという悲しい結果となっています。
 
8.解決に向かって
 
今の所解決に向かうには程遠い状況のようです。
 
そもそもミャンマー政府がこの問題に対してかなり後ろ向き。そもそも『ロヒンギャ』などいないというのが見解のようです。もともとロヒンギャはミャンマー人ではない。ベンガル人であり、バングラディッシュからの不法移民と認識している。なので、ただ不法移民を追い出していることの何が悪い、といった立場を貫いています。これでは全く前に進まないですね。
 
そして、ここ数年の間でも軍によるロヒンギャへの虐殺は起こっている。イスラム過激派とレッテルを貼り、殺害や焼き討ち、女性へのレイプなどが起きている。これは明らかにジェノサイド(民族浄化)だと専門家は言っています。
 

『ロヒンギャ』問題。最後に
 
私たち日本人にはちょっと想像がつかない話ですが。実はミャンマーはアジア最後のフロンティアと言われ、多くの日系企業が進出しています。そして、日本にも200名程度ロヒンギャの方々がミャンマー人として生活しております。
 
そして、現在もロヒンギャは新たな難民を生み、過酷な生活を余儀なくされています。国境地帯では、さらに武装化したロヒンギャとミャンマー軍が衝突し、双方に死者が出る戦闘が繰り広げられてます。
 
いまだに歩み寄りを見せないこの問題を解決するのはなかなかに困難なようです。アジアのユダヤ人ロヒンギャ。こんな悲劇が現在も続いているとは。。。
 
最後に。
 
記事を書いていて思うこと。私たち日本人には当たり前にある自由や人権について深く考えなければいけないと感じました。当たり前のことが当たり前ではないことが世界中にたくさんあるんですね。うーん。
 
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。