ロヒンギャ問題とは!? 深刻化するアジアのユダヤ人・ロヒンギャの悲劇

ロヒンギャを取り巻く環境が深刻化しています。現在でも、50万人を超えるロヒンギャが難民として迫害されています。

今回は、国際的にも大きな問題となっているこのロヒンギャ難民について、記事にしてみようと思います。

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ロヒンギャ問題とは!? 深刻化するアジアのユダヤ人・ロヒンギャの悲劇

はじめに

 ロヒンギャ

先日の出張の際に、タイでテレビを見ていると、このロヒンギャについてニュースがやっておりました。もちろんタイ語の放送です。

内容はわかりませんが、映像からその悲惨さが伝わってきます。その後、日本に帰国すると、偶然にも、このロヒンギャについて、メディアが取り上げておりました。

ということで、私も以前から気になっていた、このロヒンギャ問題について、調べて発信しようと思います。

アジアのユダヤ人 ロヒンギャ問題とは!?

ロヒンギャとは

ロヒンギャとは、ビルマ、ミャンマー連邦共和国の西部ヤカイン州とバングラデイッシュとの国境地帯に住んでいるイスラム教徒(ムスリム)のことを指します。

約100万人以上いると言われていますが、実際にはもっといるというのが定説です。ちなみにミャンマー人に占めるムスリムは、全体の4%程度です。

ロヒンギャの悲劇

ロヒンギャの悲劇は、ビルマの独立を期に、ビルマ国内での民族、宗教、イデオロギーなどの対立から内戦が勃発(ビルマ内戦)したことに端を発します。

ヤカイン州でも多数派の仏教徒と少数派のムスリムとの間で衝突が始まりました。そして、現バングラディッシュから食糧不足よりベンガル人が流入したことにより、対立は激化します。

この時期に、日本軍の侵攻によって、イギリスの統治が破綻すると、アラカン人仏教徒とビルマ軍が一緒になり、迫害と追放が始まります。

ロヒンギャの虐殺・悲劇は、さらに激化し、1980年代には国籍を剥奪されます。また、ロヒンギャがアウン=サン=スーチーの民主化を支持したため、ビルマ軍に強烈に弾圧を受けました。

ロヒンギャが難民へ

1970年代末、90年代のはじめには30万人とも言われる大量のロヒンギャが難民として、隣国バングラディッシュに亡命しました。

ロヒンギャに対する国際的な支援も届かず、たくさんのロヒンギャが死亡する悲劇を招きました。1990年代には、バングラディッシュ、ビルマ両国が国境警備を強化します。

出入国管理が厳格化したことから、バングラディッシュへの脱出が困難になりました。その結果、陸上ルートから、危険な海上ルートを通りマレーシアやインドネシアに流入が始まります。

また、バングラディッシュには、多くの難民キャンプが残りました。そして、多くのロヒンギャたちが、現在でも難民として、厳しい生活を余儀なくされています。

ロヒンギャ問題とは!?

このような背景から、ロヒンギャが密航船に乗り、アジア中に難民として流入することになります。しかし、アジア各国は、この難民の受け入れを拒否しました。

ロヒンギャが難民ではなく、不法入国者として扱われたことが、問題を深刻化させ、入国できずに海上を木造船で漂流する映像が世界中に流れ、国際問題に発展します。

そして、ロヒンギャの子供達は、栄養不足や不衛生な生活、教育も満足に受けられない厳しい環境にあります。

悪質な人身売買の餌食に

この難民の流入に目をつけた、悪質な人身売買や難民斡旋業者が問題になります。近年、問題が表面化した、シリアやソマリアのように、ロヒンギャも悪質な業者の餌食になったのです。

タイやマレーシアの業者は、密かにロヒンギャからなけなしのお金を巻き上げ、木造船に乗せ、マレーシアやインドネシアに連れて行きました。

これが、多額の利益を得る難民ビジネスです。難民の中には、強制労働や売春斡旋組織の餌食になる者も少なくありませんでした。

また、子供が餌食になることもあり、悪質極まりないビジネスの被害は拡大します。この人身売買によって、国を出たロヒンギャは、10万人をはるかに超えます。

近年になって、タイ政府の取り締まりが強化され、難民ビジネスが上手くいかなくなり、悪質な業者がロヒンギャ難民を虐殺や置き去りにしたため、問題はさらに深刻化することになりました。

アウン=サン=スーチーとロヒンギャ問題

2015年、アウン=サン=スーチー氏による、民主的な政権が樹立します。これで、ロヒンギャ問題も解決に向かうと思われました。

しかし、ロヒンギャを含む、少数民族を取り巻く問題に変化はありませんでした。軍事政権を否定し、民主化を指導した政権も、軍の影響力ゆえ、手出しができない状態です。

本当の意味での民主化には、ほど遠い状況です。また、大量のロヒンギャ難民の流入を恐れるあまり、積極的な施策を打ち出すことが出来ずにいます。

イスラム過激派への勧誘

フィリピン、ミンダナオ島でISIL(イスラム国)とフィリピン軍が戦闘に発展しています。現在も戦闘は続いており、東南アジアでもイスラム過激派の活動が本格化しました。

ついに、東南アジアでもISが波及することになりました。弾圧されているロヒンギャの中にもイスラム過激派からの勧誘に参加する難民が増えているようです。

貧困や迫害が、新たな暴力や狂気を生む悲しい結果となっています。この問題が世界中に暴力やテロの恐怖を波及するかも知れない恐れが、現実的になっています。

解決に向かって

解決に向かうには、かなり厳しい状況が続いています。ミャンマー政府がこの問題に対して、消極的な態度を示しているからです。

ミャンマー政府の見解は、そもそも、ロヒンギャなど存在しないとしています。ロヒンギャは、もとよりミャンマー人ではないと考えているのです。

ロヒンギャは、ベンガル人であり、バングラディシュからの不法移民であるという認識を示しています。

よって、不法移民を追い出して何が悪いの!?という立場を貫いています。これが問題が解決に進まない大きな理由です。

そして、近年でも、ミャンマー軍によるロヒンギャに対する虐殺は起こっています。イスラム過激派のレッテルを貼り、焼き討ちや殺害、女性へのレイプも起きています。

専門家は、これを明らかなジェノサイド(民族浄化)であると非難しています。これがアジアのユダヤ人と比喩される理由です。

これからのミャンマーに課された責務

 ロヒンギャ

実は、ミャンマーはアジア最後のフロンティアと言われ、現在、たくさんの日系企業が進出しています。

日本人には、ほとんど知られていませんが、日本にも200名程度ですが、ロヒンギャ難民がミャンマー人として生活しています。

世界では、現在でもロヒンギャが新たな難民を生み、過酷な生活を余儀なくされています。さらに、国境地帯では、武装化したロヒンギャとミャンマー軍が戦闘を繰り広げています。

未だに歩み寄りを見せない、このロヒンギャ問題を解決することは、一筋縄ではいかない歴史的な背景があるのです。

さいごに

私たち日本人には、当たり前である自由や人権について、深く考えさせられました。このロヒンギャ問題は今も続いています。

同じアジアにこのような問題が深刻化していることを記事にて発信することで、少しでも多くの人知っていただきたいと思います。

読んでいただいた方、ぜひシェアしていただけたら嬉しいです。それでは、引き続きこの問題を追いかけていきたいと思います。

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