タイ総選挙 の結果が徐々に明らかになってきました。今回の下院選では反軍事政権を掲げる政党が定数500に対して過半数を超える見込みのようです。
公式な発表はまだですが、結果は拮抗しています。ということで、今回は、タイの選挙と今後の政権について、記事にしたいと思います。
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タイ総選挙 2019年下院選は反軍政派が過半数!! 上院と下院でねじれも事実上は軍政維持か!?
2019年下院選では反軍政派が過半数!?
3月24日に行われたタイの総選挙では、反軍事政権を掲げる政党が共同で声明を発表、下院定数500のうち255議席を獲得し、過半数を確保する模様です。
反軍政はの第1党はタクシン派のタイ貢献党、第3党に躍進する見通しの新党、新未来党など7党が参加しています。
定数の過半数を得たことで、実際には国民の意思は民主主義勢力を支持し、軍政を否定した形だが、一筋縄ではいかないのが実情です。
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首相の指名には上院250名が加わる!!
下院選では過半数を得る予定の反軍政派ですが、タイの憲法では首相の指名は、軍政が事実上任命する上院の250名も加わるのです。
よって、親軍政派が下院で126議席を得れば、プラユット暫定首相を続投させることができるのです。
これに対し、反軍政派の新未来党タナトーン党首は、上院を使って少数政権を樹立しても対立の溝が深まるだけだと指摘していますが、実際には軍による政治が続くことになりそうです。
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上院と下院のねじれが問題に!!
今回の下院選で反軍政派が過半数の議席を獲得した場合、軍政が任命することができる上院との間にねじれが生じることになります。
仮に第2次プラユット政権が誕生したとしても、この状況下では下院で法案を通すのは困難であることは間違いありません。
よって、親軍政派も下院で過半数を確保しなければ、政権の運営に行き詰まるため、国民国家の力党を中心に多数派工作を進めています。
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暗躍するタクシン派!!
現在のタイは復権を狙っているタクシン派と反タクシン派の軍政が激しく対立していますが、今回の下院選では、軍政派も選挙の指揮をとったのはタクシン政権の元閣僚でした。
また、現プラユット政権で経済政策と統括するソムキッド副首相は、タクシン政権でも副首相、財務相などを歴任し、一時はタクシン首相の後継者と言われた人物です。
そして、北部スコータイに強力な地盤を持ち、タクシン政権で副首相、労相などを務めたソムサック・テープスティン氏やスリヤ・ジュンルンルアンキット氏も元タクシン派のメンバーです。
このように、今回の下院選で善戦したメンバーも、実際にはタクシン政権時代に閣僚を務めたタクシン派のメンバーが多いことは紛れもない事実なのです。
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反政府集会も過熱か!?
3月31日にはBTSビクトリーモニュメント駅近くのスカイウォークで反政府集会が行われるという情報があり、日本大使館が注意喚起を行っています。
このような反政府集会には可能な限り近づかないようにしましょう。過去には反政府グループと軍が大規模な戦闘に発展したこともあるので、念のため注意が必要です。
また、プミポン前国王の崩御後は、絶対的にタブーとされていた王室への批判も日に日に声が上がるようになってきました。
よって、様々な側面にも注意しつつ、決して野次馬根性で集会や関係者と接しないように、心がけるようにしましょう。
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さいごに
軍政の続くタイですが、今回の下院選の結果をみると、多くの国民は民主主義による政治を望んでいるということでしょう。
しかし、タイの政治は国民、軍、そして、国王が大きく結びついて行われるため、とても複雑な状況なのです。ということで、今後もタイの政治状況に注視していきたいと思います。
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