イスラム武装勢力 によるテロが発生しているタイ南部を訪れる人は注意が必要です。実はタイ国内でもテロが頻発しているエリアがあります。
タイ深南部と呼ばれる古くから数多くのムスリムが居住している場所です。ということで、今回は、タイのイスラム圏とテロについて、記事にしたいと思います。
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この記事の目次
タイでもイスラム武装勢力のテロに注意!!
実はタイはテロが頻発している国だということはほとんど知られていません。2004年以降1万6,000件を超えるテロが発生し、6,700人以上の人が亡くなっています。
バンコクを中心としたタイ中部の都市では、そこまでテロの脅威は感じませんが、過去にはバンコクの中心地でも卑劣な爆弾テロが発生しました。
ちなみにこのテロを起こしているのが、イスラム武装勢力だと言われています。日本でも有名なISIL(イスラム国)などのイスラム過激派がタイでもテロを起こしているのです。
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イスラム教徒の多いタイ深南部とは!?
タイ国民の95%は仏教徒と言われていますが、実はタイの深南部と呼ばれる地域には、古くからムスリムが居住、住民の多くはマレー族です。
この深南部とは、パッタニー、ヤラー、ナラティワートの三県とソンクラー県の一部で、特にパッタニーはマレー半島でも早くからイスラム教を受け入れた国です。
14世紀頃から小メッカとも呼ばれ、現在でもイスラム教育の拠点となり、数多くのムスリム知識人を輩出しています。
また、現在のタイに併合されるまでは、パッタニー王国というイスラム国家があり、当時の日本でも大泥と呼ばれ、日本人町があり、朱印船が訪れる貿易港でした。
幾度となる戦いの結果、スコータイ王朝、アユタヤ王朝の属国だったパッタニーでしたが、ラーマ1世が再び支配しようとした際に激しく抵抗します。
しかし、タイ遠征軍に屈服したスルタン(王)がバンコクに連行、7つのムアン(国家)に分割されソンクラー(タイ南部の都市)の支配下に置かれることになりました。
その後、隣接するムスリムの属国が20世紀に入ってからイギリスに割譲されるも、旧パッタニー王国だけがタイに残ることになります。
こうして仏教徒が大半を占めるタイという国の中に、ムスリムが居住する地域が残ることになり、文化の違う二つの価値観を生んだのです。
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イスラム武装勢力との衝突!!
ラーマ1世によるタイ併合後の旧パッタニー王国は、タイ化政策によって、長い間マレー文化や宗教を国家によって厳しく管理されてきました。
しかし、これによってパッタニーのアイデンティティが危機に直面したことを受け、数々の激しい反発が起きます。
1957年には、マレーシア独立によるマレー・ナショナリズムの高揚が起こり、タイ深南部地域に仏教徒を大量移住させる政策が実施されました。
こうした政策への反発から1960年代〜1970年代にかけて、幾つかのイスラム武装勢力が生まれ、分離独立運動が本格化することになります。
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タクシン政権の発足がイスラム過激派との対立を鮮明に!!
2001年のタクシン政権発足により、一時は下火になった分離独立運動が再び激化することになります。理由はタクシン政権が様々な懐柔政策を廃止したからです。
軍を中心に統治を行っていた深南部の治安維持の権限を、警察に委譲したことがきっかけで状況が激変、特に2004年以降、武装勢力とタイ治安部隊との武力衝突が再燃しました。
現在でもイスラム武装勢力とタイ治安部隊との衝突は起きています。そして、注意すべきは、武装勢力のターゲットが治安部隊だけではないということです。
タイ人仏教徒はもちろん、同じムスリムであってもタイ側との融和を考えるムスリムを同じくターゲットにするなど、とても危険な状態に陥っています。
また、爆弾テロが一般市民にも無差別に行われ、さらにはこの地域で麻薬取引に絡んだ事件が多発していることも、紛争解決が進まない大きな要因です。
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バンコクでの連続爆破事件!! イスラム武装勢力の反抗か!?
2015年8月17日にはバンコクの中心地、BTSチットロム駅前のエラワン廟で爆破テロ事件が発生、日本人も巻き込まれ重体と報道されました。
この爆破テロ事件は、20人の死者と100人以上の怪我人を出した、タイ犯罪史上でも最も悲惨なテロ事件です。
エラワン廟は、バンコクでも人気のパワースポットで、いつもタイ人や旅行者で賑わっています。また、周辺はセントラルワールドなどがあるバンコク観光の中心地です。
よって、タイ深南部以外でもテロの脅威は確実にあります。特に政局が不安定な現在、都市部でもテロに注意した方が良いでしょう。
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テロに巻き込まれないために!! 外務省の渡航中止勧告エリアに注意!!
バンコクなどの都市部でテロに巻き込まれないための答えはありません。特に観光地や繁華街では運次第と言っても良いでしょう。
しかし、タイ深南部のようにテロの頻発している地域への渡航はやめた方が賢明です。特に外務省の海外安全ホームページ、渡航中止勧告エリアはチェックすべきだと思います。
また、人の集まる場所に長時間いないこと、周囲に怪しい人がいないか注意していれば、テロに遭遇する確率を確実に下げることができます。
そして、人間には少なからず危機管理能力が備わっているので、違和感を感じたら決して近寄らないようにしましょう。これはテロ以外にも重要なことです。
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さいごに
イスラム武装勢力の活動エリア、タイ深南部には近づかないようにしましょう。しかし、実は南部は、パッタニーを中心にイスラム文化が色濃く、異国情緒漂う素敵な地域です。
また、美しいビーチもあります。今後、平和になればタイでも独特の雰囲気を持つ人気の観光地になることでしょう。そういう意味でも早く情勢が安定して欲しいものです。
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