カワウソ 10匹を密輸しようとした容疑で、日本人女子大生がタイのドンムアン空港にて当局に逮捕される事件がニュースになっています。
実は今年に入ってからも何度か密輸に絡む事件は起きていました。ということで、今回は、タイで発生するカワウソの密輸に関して、記事にしたいと思います。
<関連記事はこちらからどうぞ>
アイコス 罰金80万円!? タイは電子タバコの所持や持ち込みも禁止!! この記事を読んでみる
カワウソ 10匹を密輸!! タイのドンムアン空港で日本人女子大生が逮捕!! 組織的な犯行か!?
この記事の目次
日本人女子大生がカワウソ10匹を密輸!!
2017年10月26日、タイのドンムアン国際空港で空港のカウンターで預けられたスーツケースの中にカワウソの赤ちゃん10匹が発見されました。
そして、このスーツケースを預けた日本人女子大生が密輸の容疑で逮捕されています。容疑者の供述では、売られているカワウソを見てかわいそうと思い購入したそうです。
ちなみに、このカワウソの赤ちゃんは、1匹あたり1,000バーツ、日本円で約3,500円ほどで購入したと報道されています。
<関連記事はこちらからどうぞ>
チャトゥチャック市場 人気のJJマーケットはなぜ週末しか開かれないの!? この記事を読んでみる
日本でのカワウソの販売価格が超高額!!
逮捕された日本人女子大生の供述では、かわいそうと思い購入したとの話ですが、100%転売目的と見て間違いないでしょう。
実は日本国内でのカワウソの販売価格は、1匹60万円以上で取引されており、これが転売目的の密輸が多発している理由となります。
ちなみに、この高値の理由は、もともと日本に生息していたカワウソも乱獲が原因で2012年に絶滅危惧種に認定、流通量が極端に少ないからです。
また、人工繁殖が難しく、個体数が少ないことも高額な理由でしょう。よって、密輸による高額転売が商売として成り立ってしまうのです。
<関連記事はこちらからどうぞ>
金 ゴールドを買う!! バンコクの中華街は金投資のメッカ!! タイ人に大人気!! この記事を読んでみる
ペットブームが後押し!! カワウソが人気に!!
近年カワウソがテレビなどのメディアに取り上げられ、ペットとしても人気となり、一部でカワウソブームが起きています。
実はカワウソは、人懐っこい性格で、意外にも寿命も長く、個体によっては20年以上生きることもあるようです。
タイ国内で1匹1,000バーツ(約3,500円)で購入されたカワウソを日本で10匹販売すれば、その販売価格は、なんと驚愕の600万円になります。
おそらく逮捕された女子大生が単独でこの密輸を計画したとは考えにくいので、この密輸をビジネスとして、手引きしている業者がきっといるはずです。
<関連記事はこちらからどうぞ>
タイの物価 日本と比較!! 庶民感覚では100バーツが1,000円!? この記事を読んでみる
カワウソの密輸はワシントン条約違反!!
タイなど、東南アジアからコツメカワウソを日本に持ち込むのは、ワシントン条約違反になります。カワウソは条約で輸入が制限されている動物です。
ちなみに、合法的に持ち込むには、厚生労働省のHPにある動物の輸入届出制度の要件を満たせば輸入も一応可能のようですが、かなりハードな手続きが必要になります。
成田空港検疫所の動物を持ち込むにはにも詳細が記載されていました。興味のある人はチェックしてみると良いでしょう。
しかし、現実的にはコツメカワウソは、レッドリストVU(危急種)ということで、輸出国が許可証を出すには相当ハードルが高いと思います。
<関連記事はこちらからどうぞ>
ミズオオトカゲ タイ名物!? 国鉄ファランポーン駅裏の運河で遭遇!! この記事を読んでみる
なぜ日本のカワウソが絶滅危惧種に!?
日本にも以前は、北海道を含めて日本各地に、日本固有のニホンカワウソとユーラシアカワウソの2種類がいたと言われています。
しかし、明治時代以降、特に日露戦争を境にそのすぐれた防寒性と耐水性から兵士の毛皮として使用され、乱獲されるようになりました。
これが第二次世界大戦頃まで続きます。また、カワウソの肝は、結核などの治療のために漢方薬として利用され、高値で取引されていました。
加えて、戦後日本各地の開発と共にカワウソが生息できる環境自体がなくなります。そして、1979年頃を最後に人々の前から姿を消し、2012年に絶滅種と認定されました。
<関連記事はこちらからどうぞ>
パタヤ タイ最大のビーチリゾート!! 開発のきっかけはベトナム戦争!? この記事を読んでみる
タイ国内のどこでカワウソが買えるの!?
バンコクの有名な市場チャトゥチャックなどで、以前は販売されていたという話を耳にしました。しかし、タイではカワウソの販売自体が禁止されています。
よって、現在はSNSや独自のルートを持つ闇の組織が存在し、この組織と日本人バイヤーが繋がっており、タイ各地で捕まえられた野生のカワウソを売買しているようです。
また、この日本への密輸を目的として繁殖させている業者も存在しているという話も聞いたことがあります。
このように、タイの組織と日本の業者が結託、日本人女子大生がバイト感覚で運び屋としてカワウソ密輸しようとしたのが、今回の事件の実態と言えるでしょう。
<関連記事はこちらからどうぞ>
水事情 氷であたる!? 東南アジア旅行の飲料水問題!! 途上国の水は危険!? この記事を読んでみる
さいごに
カワウソの密輸事件は、今年に入ってからも数件発覚しています。また、カワウソ以外の動物を密輸する事件も多発しているようです。
しかし、3,500円がまさかの60万円になるとは!? これには本当に驚かされます。この悪知恵を別の方法に使って欲しいものです。
<関連記事はこちらからどうぞ>
タンブン タイ人が行う現世での善行!! 収入の1割も!? 徳を積む観念とは!? この記事を読んでみる
プラクルアン タイに伝わるお守りのご利益や効果とは!? 投機の対象にも!? この記事を読んでみる